記事一覧
2026.08.18
PROJECT
- アクセシブルプロジェクト
ユニバーサルデザインワークショップを開催しました
第3回ワークショップの様子 2026年5月13日、葛西臨海水族園にて、新水族園のユニバーサルデザインについて考えるワークショップを開催しました。今回のワークショップでは、新水族園のフロアマップや展示案内などについて、模型や原寸大のサンプルを用いて視覚に障がいのある方々に検証していただきました。 誰もが楽しみ、学びのある水族園を目指して 葛西臨海水族園では、2028年のリニューアルオープンに向けて、未来を担うこどもたちや若者、障がいのある方々などと一緒に、誰もが楽しみ、学びのある水族園を創っていく「アクセシブルプロジェクト」を進めています。ユニバーサルデザインワークショップは、その取り組みの一つとして、新水族園のリニューアルを行う事業者「株式会社東京シアトリエ(以下「シアトリエ」)」が、障がい者団体やNPO法人、有識者など様々な方からご意見を伺い、建物の設計や展示内容に反映することを目的として実施するものです。 過去2回のワークショップでは、建築計画や施設整備に関するご意見をいただきました。3回目となる今回は、視覚に障がいのある方々や有識者にお集まりいただき、新水族園のエントランスや各展示ゾーンにおける案内・誘導サインの情報アクセシビリティ(※)の検証を行いました。 ※情報アクセシビリティ:年齢や障がいの有無等に関わらず、誰でも必要な情報に簡単にたどり着け、利用できること 新水族園の園内模型を使いながらサイン計画を説明 水族園には、エントランスや展示ゾーン、通路などに、様々なサインが設置されています。サインとは、文字や図、記号などを用いて情報を伝達する標示物のことです。2028年にオープン予定の新水族園は、全館案内図や誘導サインをはじめとする各種サインを適切に設計・設置することで、様々な来園者が利用しやすい空間となることを目指しています。 今回のワークショップでは、まずシアトリエより、新水族園の建築・展示計画の概要について説明が行われました。参加された方々は、フロアごとに作製された新水族園の模型に触れながら、建物のつくりや各展示ゾーンの位置関係、園内の動線などを確認していました。 模型を触りながら水族園内の動線を確認している様子 続いて、サイン計画について説明がありました。新水族園では、文字や図による案内表示のほか、指先で触れて情報を得られる点字付きの触知案内図を設置する予定です。また、来園者が園内をスムーズに移動できるように、数字を効果的に活用したサイン表記を計画しています。参加された方々には、新水族園の園内模型を使って、サインの設置位置などをご確認いただきました。 原寸大の仮サインでわかりやすさを検証 サインの検証にあたっては、紙にプリントした原寸大の全館案内図と誘導サイン、触知案内図の模型が用意されました。参加された方々に、サインの取付位置や内容のわかりやすさなどを検証していただきました。また、ロービジョンの方々には、文字や図の見え方についてもご確認いただきました。 原寸大の触知案内図の模型を確認している様子 原寸大の仮サインを確認した後、参加された方々から、「触知案内図はどのような位置に設置される予定ですか?」「点字部分にはどのような内容が書かれるのですか?」などの質問が飛び交い、「触知案内図の取付位置は車椅子の方にもちょうど良い高さだと思うが、もしぶつかってしまってもケガをしないように安全性にも配慮してほしい」といった声も寄せられました。また、サインの文字の大きさや色、点字の配置など、様々なご意見をいただきました。 シアトリエからも、「『こんな工夫があればうれしい』というものはありますか?」と問いかけがあり、当事者の方々が感じる不安や疑問、解決のためのアイデアなど、活発な意見交換が行われました。ワークショップに参加された方々からは、「障がいを持つ人もそうではない人も、みんながワクワクできる水族園を目指してほしい」と、新水族園への期待の声も寄せられました。 今後も、これらのご意見を参考にしながら、幅広い方々に訪れていただける施設になるよう検討を進めていきます。
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2026.07.10
NEWS
新しい葛西臨海水族園の工事の様子をお知らせします(2026年(令和8年)6月時点)
新しい葛西臨海水族園の工事の様子をお知らせします。日々完成へと近づいている新しい葛西臨海水族園の姿をぜひご覧ください。 建物の地下の躯体工事 2026(令和8)年6月 建物の基礎工事 2026(令和8)年2月 基礎工事に向けた土工事 2025(令和7)年12月
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2026.03.31
TALK
ミュージアムとしての葛西臨海水族園
水族館の新たな可能性
井上由佳さん(写真左) 端山聡子さん(写真右) 水族館と美術館は、展示内容は異なりますが、どちらも同じ「ミュージアム」の仲間です。ミュージアムは展示施設であると同時に、人々が楽しみ、学び、考え、つながる場として、その社会的役割は時代と共に大きくなってきているといえます。その中で、水族館はどのような学びを提供できるのでしょうか。 国内外の博物館の社会的・教育的役割を研究し、明治大学文学部で教壇に立つ井上由佳さん。東京国立近代美術館で教育普及室長を務め、多様な参加者のためのプログラムを開発・実践している端山聡子さん。お二人に、これからのミュージアムに求められる役割と、新しい葛西臨海水族園への期待を語っていただきました。 ミュージアムとしての水族館の魅力 ※身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念 これからのミュージアム運営に求められる来館者視点 対話を通じて「生産的な学び」を提供する 多角的なアプローチから生まれる、水族館の新たな可能性 井上 由佳 1976年東京都生まれ。明治大学文学部専任准教授。※本記事掲載後の2026年4月、准教授から教授へ博物館学、博物館教育論、学芸員養成を専門とし、学校や地域コミュニティとの連携、博物館人材育成の国際比較など幅広い研究に取り組み、科研費等による教育現場と博物館をつなぐ研究と実践を進めている。慶應義塾大学を卒業後、ロンドン大学ゴールドスミス校で修士号、ロンドン大学教育研究所(IOE-UCL)でPh.D.(教育学)を取得。<好きな水族>:エイ、サンゴ。どちらも家族との思い出がある生き物です。 端山 聡子 1963年神奈川県生まれ。東京国立近代美術館教育普及室長。多摩美術大学卒業。平塚市美術館、横浜美術館を経て現職。長年にわたり美術館教育普及の実践に携わり、市民参加型プログラムの開発、ボランティア育成、中高生プログラム、引きこもり等の生きづらさを抱えた若者のためのプログラムなど多様な活動を展開。<好きな水族>:クラゲ。ふわふわと泳ぐ姿がユニークで、色や形も面白いです。
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2026.03.27
STORY
水槽づくりの舞台裏から見る「水の中の環境をつくる技術」
葛西臨海水族園のリニューアル工事では、生き物たちのいのちを支える水槽飼育設備の設計・施工が進められています。さまざまな自然環境を再現し、生き物たちが快適に暮らせる環境をつくるためには、水質や水温、水流や酸素量など、水槽の形状や生き物に合わせたきめ細やかな調整が必要になります。新しい葛西臨海水族園でその精密な環境づくりを担うのが、新菱冷熱工業株式会社です。今回の「STORY」では、水槽の裏側で“水の循環”によって生き物たちのいのちを守る、技術者たちの仕事と思いをお伝えします。 参考画像:現在の葛西臨海水族園の「大洋の航海者 マグロ」水槽の表側と、水槽用循環ポンプや配管類のある裏側(※他社施工事例) 生き物たちのいのちを支える水の循環をつくる 飼育現場の知見を反映した水槽設備づくり 参考画像:現在の葛西臨海水族園の「サンゴ礁の海」水槽(※他社施工事例)サンゴの飼育には、水流をコントロールすることが必要不可欠です。 来園者に「また来たい」と思ってもらえる水族園に 新水族園の完成に向け、現場では日々作業が進められています。 ※掲載している写真内の水槽や水槽設備は、現在の葛西臨海水族園のものです。新水族園の水槽や水槽設備は、現在製作を進めています。
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2026.03.10
TALK
海と人とがつながる場所
葛西臨海水族園から考える自然との向き合い方
福永真弓さん (写真左) 佐藤哲さん (写真右) 水族館は今、魚の展示施設という側面だけではなく、人と海の関係性を学び、再考する場としても注目されています。気候変動や生態系の変化など、私たちがさまざまな環境課題に直面している中、水族館にも新たな社会的役割が求められているといえます。これからの葛西臨海水族園のあり方について、リニューアルプロジェクトに関わる愛媛大学SDGs推進室 副室長・特命教授の佐藤哲さんと、東京大学大学院で社会的・文化的な側面から環境を研究する環境学博士の福永真弓さんにお話をうかがいました。 調査係時代の写真 南極キングジョージ島にて 海の多様性、人との歴史を学ぶ展示の重要性 気候変動時代の「海と人の新しい関係」を考える 佐藤 哲 1955年生まれ。愛媛大学 SDGs推進室 特命教授 理学博士1985年 上智大学大学院理工学研究科博士課程修了 博士(理学)1989年~1991年、1993年~1997年には、葛西臨海水族園 動物解説員、調査係として勤務。マラウィ大学助教授、WWFジャパン自然保護室長、長野大学教授、総合地球環境学研究所教授などを経て2021年から現職。専門は地域環境学、生態学、持続可能性学。 <好きな水族>:カンパンゴ(ナマズ目ギギ科)アフリカのマラウィ湖に生息する大型のナマズで、産卵後、稚魚が一定の成長を遂げるまで雌雄で保護し、メス親が稚魚の餌となる卵を産んで給餌するという珍しい生態を持っています。水産資源としてもとても重要です。 福永 真弓 1976年生まれ。東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学系 社会文化環境学専攻環境社会学・環境倫理学研究室 教授 博士2007年 日本学術振興会(特別研究員〈DC2〉)2008年 東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻博士課程修了(博士:環境学)立教大学社会学部(助教)、大阪府立大学 21世紀科学研究機構エコサイエンス研究所(准教授)、大阪府立大学現代システム科学域(准教授,新学部への移動)などを経て現職。現場を重視したフィールドワークの実践と厚い記述による分析を通じて、人と自然の関係や環境倫理を問う活動に注力している。<好きな水族>:白鮭(サケ目サケ科サケ属)日本では親しまれている魚であり、人と長く付き合ってきた美しい魚です。残念ながら、最近は日本で獲れなくなっています。
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